猫背はなぜ改善しにくい?専門家が解説する原因と改善方法

スマートフォンを見ながら悩む女性

猫背は胸を張ることを意識すれば改善できる、というイメージを持っている方が多くいます。
しかし実際には、骨盤の傾きや全身の歪みが連動して背中を丸めてしまっているケースが多く、その場しのぎの意識では戻りにくい状態になっています。
今回は猫背が起こる仕組みを整理しながら、セルフケアと専門家によるアプローチまでを解説していきます。

目次

猫背になる3つの原因


原因その1:胸椎の動きの低下が猫背を固定させる

全身の歪みや力みの影響、交感神経が優位な状態が続くことにより、身体は自分を守ろうとする動き(防御反射)を起こします。この防御反射により、全身に屈曲と内旋方向の動きが生じやすくなります。
上半身では、中部胸椎付近が過剰に屈曲しやすくなり猫背につながると同時に、腕が内側にねじれる巻き肩も生じやすくなります。この状態が長く続くと、猫背の丸まりの頂点である中部胸椎付近が固まって動きが低下し、その代償として腰椎や頸椎が過剰に動くようになります。
これが腰や首の痛みにつながることもあります。

原因その2:手部の力みが猫背の歪みを固定させる

末端である手が力んで固まることで、巻き肩や猫背の歪みがより固定されやすくなります。そのため、背筋を伸ばすよう意識するだけではすぐに疲れてもとに戻ってしまい、自力での改善が難しくなってしまいます。

原因その3:骨盤の前傾が猫背を連鎖的に引き起こす

防御反射が下半身で強く生じた場合、脚は内側にねじれるように歪み、骨盤は前に倒れる「前傾」という歪みが生じやすくなります。
骨盤が前傾すると、身体はまっすぐな状態に戻ろうとして腰椎を反らせる反応が起こり、反り腰につながります。さらに、その反った腰をまっすぐに戻そうとして背中を丸める動きが生じ、これが猫背として現れます。このように、骨盤や脚の歪みが猫背の原因のひとつになっていることも少なくありません。

猫背を改善するセルフケア2選


1.肩を回して固まった胸椎の動きを引き出す

腕を水平に上げ、肘を直角に曲げて力こぶを作るような形にします。胸を開くようなイメージで、肩が外側に開く方向へ小さな円を描くように回していきます。このとき胸を開く動きよりも、固まった胸椎や肩甲骨の内側にある背骨を動かすイメージで行うのがポイントです。

猫背改善のための肩回しストレッチのイラスト
猫背改善のための肩回しストレッチのイラスト

2.股関節の前側を伸ばして骨盤の前傾を整える

片足を前に出し、もう一方の足を後ろに徐々に引きながら前後に開脚していきます。股関節の前側が心地よく伸びる位置でキープし、反対側も同様に行います。
骨盤が前傾すると股関節の前側が詰まって伸びにくい状態になるため、このストレッチを通じて股関節前側の硬さを和らげ、骨盤の前傾を整えていきます。

猫背改善のためのセルフストレッチを行う女性のイラスト
猫背改善のためのセルフストレッチを行う女性のイラスト

猫背改善への美.design骨格矯正アプローチ


1.腕の内旋のねじれを整え、巻き肩と猫背を安定させる

全身の屈曲と内旋方向の歪みを整えながら、特に腕の内側へのねじれを調整していきます。このとき、手根骨のくっついてしまっている関節をはがし、本来の動きを取り戻す調整もあわせて行います。これにより、内旋方向へのねじれが固定されにくくなり、巻き肩の改善とともに猫背が戻りにくい状態へと導いていきます。

屈曲や内旋については、こちらの記事の原因その1で動きを詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

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2.脊柱全体の緊張を均一に整える

中部胸椎に集中している力みや緊張を、首側と骨盤側へ分散させながら、脊柱全体が均一な緊張度と動きを持つように調整していきます。中部胸椎が丸まって硬くなっている状態から、脊柱全体が適切なS字カーブを描けるように整えていきます。

3.骨盤の前傾を整え、反り腰と猫背の連鎖を解消する

脚の内側へのねじれを整えながら、前傾している骨盤を立てるように矯正していきます。骨盤の前傾が整うことで腰の反りが少なくなり、それに連動して胸椎の丸まりも軽減され、猫背の改善につながっていきます。

最後に


猫背は骨盤や脊柱の歪みを整えることで、身体への負担が少ない、本来の理想的な姿勢へと近づけていくことができます。
今回紹介したセルフケアを継続して取り入れることで、姿勢の変化を感じやすくなっていきます。
より本格的なアプローチを求める場合は、骨格そのものに働きかけるプロの矯正も選択肢のひとつです。

記事監修


骨格矯正セミナーで講義を行う様子

美.design 最高技術顧問

杉山 高洋(すぎやま たかひろ)

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